疑問
三角形 において,辺 の中点 を取り,辺 の半分を半径とする円を描いた時,
この円が辺 と交わるのは中点連結定理の通り,辺 の中点が一つ必ずあるが,それ以外に辺 上に交点を持つ場合はどのような条件か?
前提条件
三角形 を考えるにあたり,辺 になるように拡大縮小し,それを 軸と重なるように回転させます.この操作により,一般性は失われないと考えます.
これにより,点の座標のみを考えます.
座標は次のように設定します.
辺 の中点 は次のように決まります.
辺 の中点 は次のように決まります.
また辺 の長さの平方は,頂点の具体的な座標を用いて次のように決まります.
円の方程式を作る
円の中心を,円の半径をとすると,円の式は次のようになります.
円の中心に点の座標を,円の半径に辺 の長さの半分を代入します.
右辺を展開して辺 の長さの平方を作ります.
ここに辺 の長さを頂点の具体的な座標を用いたものに置き換えます.
円の方程式と辺 との交点を求める
回転させたために,辺 は軸となっています.よって円の式のをとしてついて解きます.
この結果から,は に依存しないことがわかります.また,根号が外れているため,虚数解にはなりません.
この式は「
中点でないのに中線定理の関係式に当てはめると成立する点ができてしまう場合の三角形はどんな三角形か.」でもでてきます.
場合分けで考える
以降が0の時(重解)
以降
これを代入する.
がマイナスの時
この場合, だけでなく にも依存しません.この時も,辺 の中点となります.
がプラスの時
この式は単調増加凾数ですから,が増えるとが増え,が減ればとが減る関係です.
ここから を求めると,
は具体的には,次のようになります.
まとめ
側の解
(中点)は常に成立します.
この範囲では,側の解として別の 上の中点でない点も辺上に交点を持ちます.したがって,交点を持つのは側の
解である中点と,この「中点でない点」の2点となります.
この場合, となり, で重解となります.したがって,成立するのは
の重解であり,中点の1点だけとなります.この時, であり, は を直角とする直角三角形です.
この場合, の別の点は 上の点とはならないため,成立するのは 側の中点の1点だけとなります.
以上から,辺 の中点 を取り,辺 の半分を半径とする円を描いた時,
この円が辺 と交わるのが,中点以外に交点を持つは,
を軸とする座標系において点の座標の値が,点の座標を中心として前後分の幅の間にあるときです.
ただし範囲内でも点の座標と等しい時は,中点だけの1つになります.
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